トルコリラ円に長期投資(積立/一括投資)した場合のリターンを検証

トルコリラはご覧のとおり、底なしで下がり続けている通貨で、値動きも激しいです。2018年8月の急落は記憶に新しく、このときは8月1日始値22.7633から下がり始め、8月13日には15.3185をつけました。32.7%の下落です。

そんなトルコリラにスワップ狙いで長期投資した場合、どれくらいのリターン(税引前)が得られるのかをシミュレーションしてみました。

具体的にはトルコリラ円(TRY/JPY)を

  • 10年間、毎月定額積立した場合
  • 半分最初に投資して、半分を10年間、毎月定額積立した場合
  • 最初に全額一括投資して10年間保有した場合

の3つのケースで検証していきます。

注意事項

記載の検証結果は、記載の前提条件における検証結果であり、記載の無い検証も含めた平均的な結果を⽰すものではありません。

ここで紹介する検証結果はあくまで参考程度に留めてください。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさいますようにお願い致します。

前提条件

  • 投資元本は1,000,000円
  • 運用期間は2009年4月〜2019年3月までの10年
  • レバレッジ1倍で運用
  • スプレッド(取引コスト)は1.7銭
  • スワップは政策金利(下図参照)から計算
  • 1000通貨分の購入資金(スワップと定額積立の合計)が貯まったら1000通貨購入
  • 追加購入は月初に実施
トルコの政策金利推移

グラフの単位は%

検証結果

ケース1は毎月定額積立、ケース2は半額一括投資・半額毎月定額積立、ケース3は全額一括投資です。結果から紹介すると、毎月定額積立したケースが最も高いリターンとなりました。

ただリターンが高いと言っても、どのケースでもマイナスの結果となっています。政策金利は24%ですが、それを上回る通貨の下落がパフォーマンスに影響を与えています。

ドローダウンは一時的に最大資産から落ち込んだ場合の下落率でマイナスが小さいほど良いです。たとえば、100万円投資して、いきなりドローダウンが来た場合、-53万2200円の含み損になることを意味しまます。

以下、各ケースの保有数量、スワップ、利益の推移です。

保有数量推移

  • ケース1
  • ケース2
  • ケース3

スワップ推移

  • ケース1
  • ケース2
  • ケース3
損益推移

損益推移は為替損益(評価損益)とスワップ収益の合算

  • ケース1
  • ケース2
  • ケース3

追加購入したタイミングや獲得したスワップ、損益の状況は以下のとおりです。

ケース1:100万円を定額積立

平均取得単価:36.21円
為替損益:-645,296円
スワップ収益:493,087円
損益合計:-152,209円
年平均成長率:-1.642%

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ケース2:50万円を初期投資/50万円を定額積立

平均取得単価:40.82円
為替損益:-813,821円
スワップ収益:639,998円
損益合計:-173,823円
年平均成長率:-1.897%

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ケース3:100万円を全額一括投資

平均取得単価:45.79円
為替損益:-987,579円
スワップ収益:800,279円
損益合計:-187,300円
年平均成長率:-2.083%

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まとめ

トルコリラ円の投資は検証結果がマイナスなので正直、投資するメリットはありません。

投資するタイミングが変わればリターンの様相も変わるでしょうが、経済状況や中東情勢の悪化により底値が見えていない状況を考えると投資妙味はないと言っていいと思います。

国の財政状況などからつけられるトルコ国債の格付けは

  • S&P:B+
  • ムーディーズ:Ba3

となっていて、S&Pは安定的としていますが、ムーディーズの格付けはネガティブです。

S&PはAAAからA、BBBからB、CCCからCという形で表記され、さらにAAからCCCまでに+、−が付きます。

AAAが最も信用力が高く、BBBまでが投資適格と言われています。BB以下はジャンク級と呼ばれ、信用リスクが高いとされています。

ムーディーズはAaaからA、BaaからB、CaaからCという形式で表記され、さらにAa~Caaまでは1、2、3が付きます。Ba1/BB+以下はS&P同様にジャンク級、投資不適格級と呼ばれ、信用リスクが高いとされています。

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